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「土からの使者」 お百姓の菅野芳秀さん

時の流れの早さを嘆いていても始まらないのだけれど、6月と7月の予定を混同したりして、まわりから「認知症じゃないの?」と心配されたりしています。
 5月、6月と、かかわっているさまざまな組織の総会、講演会が相次ぎ、準備、司会、はたまたテープ起こしなどと、いつもながら忙殺されておりました。いくつか書きとどめておきたいことはあるのですが、この間の日曜日の講演会でお会いした菅野芳秀さんのこと。
 菅野さんは、山形県長井市で百姓をしています。近所の友人の海沼さんが、「3.11のことがあって、友達の菅野のお米を取っていた人たちが手控えてしまっている。放射能もきちんと測定して安全なものしか出さない彼なので、なんとか支援したい」と言って、チラシを持ってきたので、わかった! 私も買うよ、と始まった縁でした。私もチラシをまきました。玄米、七分づき、と私も息子も買いました。とってもおいしいお米でした。
 そんなことがあったので、海沼さんが、「子育て講座」の一環として菅野さんを呼んで講演会をする、ときいて、あのお米を作っている張本人に「会いたい!」と思ったのでした。
 菅野さんは、徹底して「土」にこだわっています。800羽のニワトリを飼っています。菅野さんのところのニワトリは放し飼い。時にはキツネの標的にもなるということですが。「ケージ飼いのニワトリが生む卵はストレスいっぱいの卵です。卵の安全性だけが私たちの関心事で、当のニワトリがしあわせであるかどうかまでに思いがいきませんよね。ドイツはケージ飼いのにわとりを大地に解放し、動物らしさを保証したんです。」確かに、鶏さんのしあわせまで、あまり考えていませんでした。
 菅野さんは徹底して「土」にこだわります。「土1グラムの中に10億、20億という微生物が有機物を分解し、それが次のいのちの土台となる。土は動物であれ、植物であれ、生きていたものの死体のプレゼントです。いのちの集積であり、いのちの連鎖です。」私たちが食べているのは「土」、私たちは「土」の化身である、と。未来をいいものにしよう、と思ったら、まず「土」から。放し飼いのニワトリや豚は、土を掘り起こし、糞と混ぜて土を豊かにする循環装置だったはず。ゴミは「処理する」ものではなく、「循環して活かすもの」なんですね。「クソの役にも立たない人のクソ」っていうのがおかしかった。「土よりの使者」と自らを称している菅野さん、190センチもの大きなからだの奥の方から、いい声が響きます。ちゃんとしたものをつくり、食べていると、こういう声がでるのか、と私は納得していました。
 理念だけでなく、まちづくりにも生かしている「レインポープラン」が暮らしている長井町で実践されています。生ごみを循環させ、作物づくりに活かすことを町ぐるみで行っています。こうすることで「みんながいのちにかかわるまちづくり」ができる、と菅野さんはいいます。
菅野さんがこだわるタームは、「かきのたね」。「秋の終わりに柿の木に残った実には二つの物語が存在します。いのちをなくそうという熟れた柿の実、でもその中にある柿のタネにはいのちの希望があるのです」。いい土に埋もれたタネ。早く芽を出せ、柿のタネ、ですね。
 こんな報告を書いている途中で、神戸にやってきました。毎年恒例の行事である、六甲での真竹のタケノコ掘り。神戸での兄弟分の森末さんに車で連れていってもらい、もうそろそろ今年はおしまい、というタケノコ山に入り、たくさん収穫してきました。友人宅でのタケノコ処理の合間にこれを書いています。タケノコの皮がものすごい量でたまりますが、これも森末さんがつくっている「どんぐり学童クラブ」の畑の大切な肥料になります。タケノコはとても抗菌作用があり(だから、竹の皮におむすびを包むんですね。)、畑にはとてもいいそうです。今週はどうやら、土の大切さ、その恩恵にあらためて気づかされる週のようです。いい土にニョキニョキとエネルギーいっぱいに伸びるタケノコ。無駄にするところがありません。タケノコごはん、若竹煮、天ぷら、姫皮のきんぴら、お刺身、タイカレー・・・春の最後の味を楽
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Author:marzoh
はじめまして、星野弥生です。さまざまな教育や子どもに関する活動、スペイン語圏の国々と関わるNGO的な活動を通じて、人と人との糊付け役みたいになっています。そんな活動の報告やらお知らせをする場として、ブログなるものに挑戦してみることにします。

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