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死刑映画週間 「殺されていくいのち」 ぜひ観てください。

 やらなければならないことを放っておいて、今を逃すわけにはいけない方についつい行ってしまう私です。映画週間というのは待ったなし、なんです。一週間にビッシリとプログラムが決められていて、それに合わせて動くしかない。今、渋谷ユーロスペースで開催されている「死刑映画週間」。スケジュールをコワゴワみながら、合間を縫ってどうしても観たい映画を観てきました。
 一つ。スペインの「スリーピング・ボイス」。ちょっとわかりにくいタイトルですが、私にとっては、これを見逃してなるものか、という映画でした。市民戦争でフランコが勝利したあとの、すざましいばかりの弾圧の状況を描いています。弾圧の対象は女たち。共和国側に与した、組合活動をしていた、夫が活動家だった・・・さまざまな理由で女達は拘束され、それだけの理由で、なんの弁明も許されずに処刑されていきます。ヒロインは、囚われた時には妊娠していて、こどもが産まれるまで処刑を延期され、生まれたばかりの赤子を残して、処刑されます。銃殺された時の言葉は「共和制、ばんざい!」このような場合には、こどもはフランコ派の児童養護施設に入れられ、親のようにはならないような教育を施されるのが常ですが、この映画では、良心ある職員のはからいにより、母親の妹の手に委ねられることになっていて、そこは少しだけの希望でした。
 私は、そもそも大学を卒業する際、何か卒論を書かなければという時に、思いついたのが「スペイン革命におけるアナーキズム」でした。スペイン語を専攻しようと思った理由があまり定かではないのですが、いざ入ってみて、スペインにはこういうことがあったのだ、ととても興味を持ち、結局そんなテーマでいい加減な卒論を書きました。でも、それは今の私につながっています。そう、理想の社会を描きながら、戦場の中でそれを少しは実現しつつも、結局は弾圧されていったアナーキストたち。この映画に描かれるように、フランコが勝利してからの、すざましい「赤狩り」。フランコに少しでも異議を唱える人たちに対する、拘束、拷問、そして死刑。そんなことが、今からそう遠くない時代に行われていた、ということになんだかゾクッとします。日本だって、そうですよね。45年のヒロシマ・ナガサキ。その前のオキナワ。そんなに遠くない時代。なのに、みんな遠い過去のことのように忘れてしまっている。そんなことまで考えされられる映画、私の原点を見るような映画でした。衝撃でした・・・。
 もう一つの映画は、昨日観た映画。「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の障害」。私は、死刑制度には本当に疑問だし、断固反対です。狭山事件の石川さん、袴田さん、菅谷さん・・・。枚挙に暇がないくらい、冤罪で人生を狂わされた人たちがたくさんいます。そしてみんなステキなひとたち。冤罪の可能性がこれほどあるのに、一人の人の人生をここまで縛る、という国家の理不尽さ。今日も、映画を観てつくづく感じました。奥西さんの無念を思います。無罪を訴えながら、獄中で病死で終わらざるを得なかった生涯。仲代達矢さんもすばらしかったし、お母さん役の樹木希林さんも、そのもの、って感じでした。お母さんは100通近い手紙を獄中の息子に書いたということです。「死刑は当然」などと、自分の身には何も影響がないのに、訳知り顔にいう人たちに、ぜひとも観てほしい。自分と関係のないのに、世間的に許せないと断罪してしまうことで、多くのいのちが失われてしまっている、ということ。そんな世論が高まると、死刑は当然、というようなことになります。それは恐ろしいことです。国家による殺人である死刑に私は断固反対しますし、それに与している世論に対して、それはちがう、とはっきり言いたいです。
 この貴重な映画週間、明後日(119日)までですね。時間があったらぜひこの素晴らしいラインナップ、見てくださいね。
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Author:marzoh
はじめまして、星野弥生です。さまざまな教育や子どもに関する活動、スペイン語圏の国々と関わるNGO的な活動を通じて、人と人との糊付け役みたいになっています。そんな活動の報告やらお知らせをする場として、ブログなるものに挑戦してみることにします。

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